換気扇の調子が悪い…と感じた日に開けてみた話

キッチンで料理中に回っている換気扇。油汚れが残るフィルターの下でフライパンから湯気が立っている様子 生活トラブル

去年の秋のことでした。夕方、キッチンでいつものように炒め物をしていたら、立ちのぼった煙が換気扇に吸い込まれず、ふわっと部屋のほうへ流れてきたんです。手をかざすと、たしかに吸う力が弱い。最初は気のせいだと思おうとしました。

それまで、換気扇の中をまじまじ見たことはありませんでした。回って当たり前の設備が急に頼りなく感じて、「壊れたのかな」「業者を呼ぶしかないのかな」と、少し身構えたのを覚えています。

我が家の換気扇のこと

キッチンで料理中に回っている換気扇。油汚れが残るフィルターの下でフライパンから湯気が立っている様子

我が家は築20年超の賃貸マンションで、もう10年以上暮らしています。キッチンの換気扇はシロッコファン型、お風呂は換気一体型。調理は1日1〜2回、揚げ物は週に1回くらいでしょうか。正直に書くと、フィルター掃除は記憶にないほど後回しにしていました。

だからこの記事は「きちんと手入れしてきた人」の話ではありません。「ふだん見ていなかった人が、どこから手をつけたか」の記録として読んでもらえると、自分の家にも当てはめやすいかもしれません。

ひとつだけ、覗く前に決めたことがあります。「焦げ臭さがする、ブレーカーが落ちる。そんな異常があればそこで手を止めて、管理会社に連絡する」というラインです。

松村
松村

これを先に決めておくと、不思議と落ち着いて中を見られました。

それと、これは後で気づいたことですが、同じ「調子が悪い」でも、「まったく回らない」ときは話が別でした。その場合はまずスイッチとブレーカーを確かめるのが先で、この記事はあくまで「回るのに吸う力が弱い」ときの話になります。

換気扇の中を、初めて開けてみた

最初にやったのは、電源を切ること。スイッチを切って、念のためブレーカーも落としました。動いている羽に触れるのが少し怖かったので、ここはためらいませんでした。

次に、整流板(コンロの上にある長方形のフタのような部分)を外してみます。指で触ると表面はベタつき、裏側は油がはっきりつきました。その奥のフィルターは、油で網目が半分ふさがった状態。さらに奥のファンには、黒ずんだホコリが雪のように積もっていました。

ここまで見えた時点で、「ああ、うちのは汚れだ」とほぼ見当がつきました。回らないわけでも、嫌な金属音がするわけでもない。ただ吸う力が落ちた、いわゆる「弱い」症状だったんです。

外せたのは、そこまででした。ファン本体は「ストッパーを押して回す」仕様らしく、力加減が分からなかったので、無理せず見送りました。外れないものを力任せに引っ張って割ってしまうほうが、あとが面倒になりますから。

拭いてみたら、一段階戻った

掃除そのものは、拍子抜けするほど簡単でした。キッチンペーパーで拭いて、薄めた中性洗剤で軽く洗う。時間にして5〜10分、朝の洗い物のついでくらいの感覚です。戻してスイッチを入れると、煙の吸い込みが目に見えて戻っていました。

忘れないうちに、掃除の前後を書き留めておきます。

見たところ掃除前掃除後
コンロ上の煙の吸い込み半分で拡散そのまま上へ
動作音ゴーッ(低め)ゴーッ(やや高めに戻った)
フィルターの油なぞると指につくさらっとした感触

完璧ではありません。それでも、明らかに一段階戻ったという実感がありました。

開けてみて、分かったこと

日本の家庭のキッチンに設置された換気扇。

やってみて分かったのは、換気扇の「調子が悪い」は、たいてい油汚れから来ているということ。そして、見た目が似ていても中身はタイプで違う、ということでした。

我が家のようなマンションのキッチンはシロッコファンが多く、整流板の奥にフィルターがある二段構えです。

戸建てや古い住まいに多いプロペラファンは羽そのものを、浴室やトイレの換気一体型は吸込口のカバーを見ます。自分の家のがどれかを知っておくだけで、次に困ったときの動きが速くなりました。

音についても少し調べました。ゴーッ・ガタガタという音は、汚れの偏りやネジの緩み、経年劣化が候補で、出たからといってすぐ故障とは限りません。カラカラと小刻みに鳴るときは、中で部品か何かが緩んでいる合図かもしれない、とも知りました。

ただ、金属同士が擦れるような音だけは別で、ここは様子見しないほうがよさそうです。どのくらいを「うるさい」と感じるかは人によって違うので、隣の生活音に敏感になり始めたときの考え方のような、感じ方を整理する視点も助けになるかもしれません。

においが残るのも、換気扇だけが原因とは限りませんでした。我が家でも一時期、料理後のにおいが抜けにくいと感じて、結局シンクの排水まわりも一緒に見直したことがあります。似たように気になる方は、シンク下のにおいが気になったときの考え方も同じ流れで読めます。

寿命の目安も、知っておくと気が楽でした。一般にキッチンの換気扇は10〜15年、浴室は15年前後とされています。

各メーカーの公式ページ(パナソニックや三菱、東芝など)には推奨の掃除頻度や寿命の目安が出ていて、築年数や使い方がそれを超えているなら、管理会社やメーカーに相談しても不自然ではないと分かりました。

あの日から、変えた習慣

あの夕方をきっかけに、いくつか変えたことがあります。

フィルターの交換サイクルは、「気づいたとき」から3か月ごとに改めました。カレンダーに入れておくだけで、また油まみれの奥を覗く羽目にならずに済んでいます。

掃除も、完璧を目指すのはやめました。整流板とフィルターを軽く拭くところまで。奥のファンや本体は触らない、と最初から決めています。

業者については、「シーズン明けに見積もりだけ取ってみる」を、いまも保留にしたままです。今のところ自分の掃除で足りていますし、無理に決めなくてもいいと思っています。

そもそも我が家は賃貸なので、もし自分の掃除で戻らなくても、勝手に業者を呼ぶのではなく、まず管理会社に連絡する。費用も入居者の過失でなければ基本はオーナー負担だと知って、少し気が楽になりました。

本体の交換や配線に関わる作業は電気工事士の資格が必要な領域なので、私が自分で触るのは整流板とフィルターまで、と線引きしています。

自分でやる範囲と、人に任せるラインを分けておくと、こういう保留も罪悪感なくできるものです。どこからを業者に任せるか迷うときは、業者に頼むか自分でやるかを考えるときの整理を読み返すと、判断軸が落ち着きます。

結局のところ、換気扇の不調は「焦って総取り替え」ではなく、「開けて、拭いて、戻して、様子を見る」で足りることが多いのだと思います。

あの夕方、煙が部屋に流れてきたときの自分に声をかけられるなら、「まず電源を切って、中を覗いてごらん。たぶん油だよ」と言う気がします。

空気の流れや湿気のことまで気になり始めたら、空気・湿気・カビにまつわるテーマのまとめものぞいてみてください。