梅雨に入ってすぐの朝でした。寝室のクローゼットを開けた瞬間、もわっとした空気と一緒に、かすかなカビのにおいが鼻をかすめたんです。衣類にしみついたら厄介だと、その日からなんとかしようと思い立ちました。
賃貸なので、壁を壊したり換気口をつけたりはできません。それでも、手元の工夫だけでひと夏越したら、においはほとんど気にならないところまで来ました。
この記事は、その梅雨に我が家で試したことと、正直な効果の記録です。
我が家のクローゼットは、湿気のたまる条件がそろっていた
あらためて見回すと、湿気がこもるのも当然という状態でした。
- 築20年超の賃貸マンションで、北側の寝室にあるクローゼット
- 引き戸はほぼ閉めっぱなし
- 中は衣類でぎっしり
- 床はフローリングに衣装ケースを直置き
- クローゼット自体に換気口はなく、頼れるのは寝室の窓だけ
空気が動かず、ものが詰まっていて、湿気の逃げ場がない。三拍子そろっていたわけです。

まずはこの「動かない・詰まっている・逃げ場がない」を、ひとつずつほどいていくことにしました。
まず、空気の通り道をつくることから

最初に手をつけたのは、床でした。ホームセンターで桐のすのこを買ってきて、クローゼットの床に敷き、その上に衣装ケースを置き直します。床と荷物の間にすき間ができると、直置きのときのひんやりした湿っぽさが減りました。
同じタイミングで、詰め込みすぎていた衣類も見直しました。思い切って手放す服を決めて、収納は8割くらいまで。服と服の間に指が入るすき間ができると、風が抜けるのが分かりますし、においもこもりにくくなります。
あとから振り返ると、この「減らす」が地味にいちばん効いた気もします。
除湿剤は「置き場所」で変わった
除湿剤は前から使っていました。ただ、なんとなく床にぽんと置いていただけだったんです。湿気は下にたまりやすいと知って、置き方を変えました。
低い位置に重点的に置き、衣類のすき間にも小さめのものを挟む。詰め替えタイプにして、定期的に替えるようにする。それだけで、たまる水の量が目に見えて増えて、「ちゃんと吸っているんだ」と実感できました。
ついでに、小さな湿度計もひとつ入れてみました。数字で見えると、「そろそろ換気しよう」「除湿剤を替えよう」の判断がぐっと楽になります。
あと、地味に効いたのが「しまう前に乾かす」ことでした。
汗をかいた服や、クリーニングから戻ってきたビニール袋は外して、一晩干してからしまう。濡れたものをそのまま入れると、それだけでクローゼットの中の湿気が増えると知ってからの習慣です。
いちばん効いたのは、扉を開けて風を通すこと
いろいろ試した中で、効果がはっきりしていたのは換気でした。
晴れて湿度が低い時間を選んで、クローゼットの扉を全開にし、寝室の窓も開けます。さらにサーキュレーターでクローゼットの中へ風を送ると、内部のこもった空気が一気に入れ替わるのが分かります。我が家では、週末の晴れた日に30分ほど風を通すのを習慣にしました。
逆に、部屋自体がジメジメしている日は、先にエアコンのドライで部屋の湿度を落としてから扉を開けるようにしました。湿った空気とそのまま入れ換えても意味がない、と途中で気づいたからです。
湿度計を見ながら、だいたい60%を超えたら換気、というゆるいルールにしています。
カビは湿度がだいたい65%を超えると活発になると知り、その手前の60%を目安にしました。きっちり管理するというより、「数字が高めなら窓を開ける」くらいの気軽さのほうが続きました。
一夏試して、分かったこと

ひと夏続けてみて、梅雨どきでもカビのにおいがほとんど気にならなくなりました。特に効いたのは、やはり「換気」と「詰め込みすぎない」こと。道具より、空気を動かして量を減らすほうが、効果が大きかったというのが実感です。
とはいえ、湿気がゼロになるわけではありません。「賃貸でできる範囲で、かなりマシになった」が正直なところで、大切な衣類は今でも油断せず陰干ししています。
それから、賃貸だからこそ気をつけたいこともありました。壁に穴を開けるタイプの対策は、原状回復を考えると避けたほうが無難です。
結露がひどいときや、カビが広い範囲に出てしまったときは、自分でこすって落とそうとせず、まず相談したほうが安全でした。
結露そのものが激しい場合は結露がひどいときの対処法を、壁紙にカビが出てきたら賃貸の壁のカビ対策を、それぞれ先に読んでおくと動きやすいと思います。
あの梅雨から、続けている習慣

あの梅雨をきっかけに、すっかり定着したことがいくつかあります。
収納は8割まで。湿度計が60%を超えたら、週末に30分だけ風を通す。除湿剤は低い位置で、こまめに詰め替える。大切な服は、季節の変わり目に陰干しする。どれも特別な道具も工事もいらない、続けられる範囲のことばかりです。
クローゼットの湿気は、賃貸でも「ためない工夫」でずいぶん変わります。もし空気や湿気、カビのことを家全体で考えたくなったら、空気・湿気・カビにまつわるテーマのまとめものぞいてみてください。

