先日、こんな相談をいただきました。
賃貸のマンションでひとり暮らしをしています。お風呂上がりに換気扇を回して寝ているのですが、朝浴室をのぞくと床がまだ湿っていて…。「排水口が詰まっているのかな」と思って掃除もしてみたのですが、あまり変わりません。業者を呼ぶほどでもない気がするのですが、このまま様子を見ていいのか分からなくて。
読みながら、思わずうなずいてしまいました。私自身も、同じように毎朝浴室の床を確かめていた時期があるからです。
先に、返事の方向だけお伝えします。風呂の床が乾かないときの原因は、大きく分けると「詰まり」か「換気」のどちらかです。ここを先に切り分けるだけで、次にやることがだいぶ見えやすくなります。
ここから、いただいた相談に一つずつ答えていきます。
まず、私自身の話を少しだけ
築20年超の賃貸マンションで10年以上暮らしています。浴室は北側で窓がなく、換気扇だけの環境です。
以前、床が乾かなくて気になっていた時期がありました。最初は排水口の詰まりを疑ったのですが、水自体は流れている。原因を探ってみると、換気扇を入浴後30分で止めていたのが原因でした。
その後、就寝中もつけっぱなしにし、ドアを少し開けるようにしたら、翌朝の床の湿り具合が明らかに変わりました。

「排水の問題」だと思い込んでいたのが、実際は「換気の問題」でした。「水が流れているか」と「床が乾くか」は別の問題だと気づけたのが大きかったです。
「これって詰まっているんでしょうか」への返事
いちばん気になっているところから答えます。水は流れているのに床だけ湿るなら、詰まりよりも換気が原因のことが多いです。
次の対比で、自分がどちらに近いかを見てみてください。優劣ではなく、見るところの違いです。
| 観察ポイント | 排水(詰まり)の問題 | 換気(湿気)の問題 |
|---|---|---|
| 水の流れ | 水が溜まる・引きが遅い | 水自体は流れている |
| 音 | ゴボゴボ・コポコポ音がする | 特に音はしない |
| 翌朝の床 | 排水口周りに水が残る | 床全体が湿っている |
| 換気との関係 | 換気しても変わらない | 換気時間を延ばすと改善する |
あなたの相談だと「水は流れているのに床が湿る」とのことなので、まずは換気の側を疑ってみるとよさそうです。もし水が引きにくい・音がするなら、排水口の詰まりかけの対処を先に見てみてください。
もうひとつ、意外と見落とされやすいのが換気扇自体の不調です。フィルターにホコリが溜まっていたり、古くなって風量が落ちていたりすると、それだけで乾きが悪くなります。年に1~2回、フィルターを外して掃除するだけで変わることがあります。
「どんなときに気になりやすいですか」への返事

相談を読みながら思い浮かんだ場面を、いくつか並べてみます。
翌朝、浴室の床がまだ湿っている。 換気扇は回したのに、足をつけると湿っている。換気時間が足りていない可能性が高いです。うちもまさにこれで、30分で止めていたのをつけっぱなしに変えただけで、翌朝の床が本当に違いました。
シャワー中に足元に水が溜まる。 これは水が引いていかない状態なので、排水口付近に汚れが溜まっている可能性のほうが高いです。
最近急に悪くなった。 掃除中に汚れを奥に押し込んでしまったか、入浴剤やオイル系を使った影響があるかもしれません。無理に触らず、早めに相談する判断もありです。
あなたの相談は「翌朝、床がまだ湿っている」に近いので、換気の側から見ていくのが自然です。
「自分では、どこまでやっていいでしょうか」への返事

ここが気になるところだと思います。全部やらなくても大丈夫です。できるところまでで十分です。
まず、目に見えるゴミを取る。 排水口のフタを外し、髪の毛やゴミ受けの汚れを取って、水を流して変化を見る。入浴後、体を拭いたついでにできます。
うちでは入浴後にゴミ受けを外して髪の毛を取るのが家族ルールです。30秒で終わるのに、やるかやらないかで排水の引きが変わります。
次に、ぬるま湯をゆっくり流す。 40〜50℃くらいのお湯を排水口にゆっくり流すと、石けんカスや皮脂がやわらかくなって流れやすくなります。変化がなければ、ここで止めて大丈夫です。
余裕があれば、届く範囲だけブラシ。 市販の細めブラシで、見える範囲だけ軽く動かす。抵抗を感じたら、それ以上はやりません。ここまでが自分でやる範囲です。
換気の面では、就寝中もつけっぱなしにする、ドアを少し開けておく、といった小さな変更が効くことがあります。
浴室に窓がある場合は換気扇と窓を併用する、窓がなく24時間換気の場合はドアの隙間を確保する、など浴室の作りによって効かせ方が少し変わります。
「毎日少し湿るくらいなら、様子を見ていいですか」への返事
翌日には乾くようなら、急ぐ必要はありません。換気時間を少し延ばすだけで改善することも多いです。
うちも冬場は毎朝少し湿っていましたが、換気扇をつけっぱなしにしたら春を待たずに改善しました。換気だけでは追いつかないと感じるときは、珪藻土マットや除湿剤を併用すると、床の湿りが気になりにくくなります。
ただ、湿気が残る状態が続くと黒カビが増えやすくなることもあるので、気になるときは見ておくと安心です。湿気が他の場所にも影響していないか気になるなら、クローゼットの湿気確認も参考になります。
「業者を呼ぶ判断が不安です」への返事
水が逆流する、ほとんど流れない、という状態なら、相談して問題ありません。市販のパイプ洗浄剤は、軽い詰まりなら1回使ってみて、効かなければ無理に繰り返さなくて大丈夫です。
判断に迷うときは、住まいるダイヤル(0570-016-100)や消費者ホットライン(188)でも相談できます。湿気によるカビや健康影響が気になるときは、厚生労働省のシックハウス対策も参考になります。
「それでも、なんとなく不安です」というあなたへ
ここまで読んでも、まだ気になっているかもしれません。それで大丈夫です。
「すぐ業者を呼ぶべき?」「床を全部磨く?」と考えがちですが、まずは少し立ち止まってみてください。水自体は流れているか、毎日同じか日によるか、生活に支障が出ているか。この3つが整理できれば、漠然とした不安が少し輪郭を持ちます。
無理に今日結論を出さなくても、床の状態を観察できたら、それで十分です。
相談の返事に代えて
最後に、いちばん伝えたいことを。
お風呂の水はけが気になるときは、「水自体が流れているか」と「換気で変わるか」の2つを見るだけで、次にどうするかがだいぶ見えてきます。
水がゆっくりでも流れるなら、まずは自分で対応できる範囲。換気時間を延ばすと乾くなら、換気の問題であることが多いです。水が逆流する・ほとんど流れないなら、無理せず相談してください。
だから、焦らなくて大丈夫です。今日は床の状態を観察できたら、それで十分だと思います。
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