冷蔵庫のにおいは、掃除の前に確認する順番があります。先に食べ物を確かめ、次に拭くものをメーカーの表記に合わせる。この2つを飛ばすと、においが残るだけでなく、冷蔵庫の部品を傷めることがあります。
原因が冷蔵庫の中にあると分かっている場合の記事です。どこが臭うのか分からないときは、冷蔵庫以外も含めた切り分けが先になります。
冷蔵庫のにおい|まず食べ物が原因かを確かめる

庫内の汚れを拭く前に、食べ物そのものを見直します。拭いても、中に傷んだものが残っていれば、においはまた出てくるからです。
- 開封済みの飲料・作り置き・残り物は、日付を確かめる。厚生労働省の「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」では、残った食品は時間が経ちすぎたら思い切って捨てること、少しでも怪しいと思ったら食べずに処分することが案内されています
- 肉や魚は、袋や容器に入れる。ほかの食品に肉汁がかからないようにするためで、棚に汁が残るのも防げます
- 詰めこみすぎを見直す。同じ資料では、冷蔵庫や冷凍庫の中身は7割程度が目安とされています
- においの強い食品(キムチ・納豆・にんにく・開けた生魚など)は、密閉容器や袋に入れる。パナソニックの取扱説明書(NR-F470PV)には、庫内がにおうときの確認項目として「においの強い食品は密閉していますか?」とあります。ほかの食品へのにおい移りを減らす基本です
- 野菜ケースや引き出しの底に、汁や水分がたまっていないか見る。シャープのサポートページでも、ケース内が汚れたり汁がたまったりすると、食品が傷みやすくなると注意されています
傷んだ食品は、においや見た目だけでは判断しきれません。迷ったときは捨てるようにしてください。
停電のあとに冷蔵庫がにおう場合は、においではなく、止まっていた時間で判断しましょう。農林水産省が示す保冷時間の目安は停電・断水が起きたときの冷蔵庫の食品の考え方にまとめています。
においのタイプから、原因の見当をつける
においの感じ方で、疑う場所の見当がつきます。あくまで目安なので、当てはまらなくても気にしなくて大丈夫です。
| においの感じ | よくある原因の見当 | まず確認すること |
|---|---|---|
| 生臭い | 肉・魚の汁が、棚やケースに残っている | 棚の下と、ケースの底に汁のあとがないか |
| 酸っぱい・発酵したにおい | こぼれた調味料や汁、傷みかけの開封済み食品 | ドアポケットの底と、作り置きの日付 |
| カビくさい・湿ったにおい | ドアパッキンまわりの結露とカビ、野菜ケースの水分 | パッキンの溝と、野菜ケースの底 |
| いろいろ混ざった「冷蔵庫のにおい」 | 食品同士のにおい移り、詰めこみすぎ、脱臭剤の効果切れ | 中身が7割程度か、脱臭剤の交換時期を過ぎていないか |
日立の公式Q&Aによると、冷蔵庫まわりの結露を放っておくと、食品の劣化が進んだり、庫内でカビが発生したりします。カビくさいときは、パッキンと水分のたまる場所を重点的に見てください。
冷蔵庫を空にして拭いてもにおいが残るなら、原因が冷蔵庫の外にあることもあります。その切り分けは家のにおいの原因を切り分けていく考え方から読めます。
庫内を掃除する手順|電源・食品の保冷・拭き方

部品の外し方は機種で違うので、手元の取扱説明書が最優先です。手順の流れは、シャープ・三菱電機・パナソニック・日立の公式ページに共通する部分をまとめました。
- 取扱説明書で、外せる部品と、お手入れの注意を確かめる
- 食品を保冷バッグやクーラーボックスに移す(食品を室温に長く置かない)
- 電源プラグを抜く(三菱電機は、お手入れのときは電源プラグを抜くよう案内しています。濡れた手でプラグに触らない)
- 棚・ケース・ドアポケットを外して水洗いし、水気を拭き取る
- 庫内の壁面は、ぬるま湯を含ませて固く絞った布で拭く。落ちなければ、薄めた中性洗剤(食器用洗剤)で拭き、洗剤が残らないよう水拭きしてから乾拭きする
- ドアパッキンは、水で湿らせた布で拭き、乾いた布で水気を取る
- 部品がよく乾いたことを確かめてから戻し、電源を入れる。庫内が冷えてから食品を戻す
布を固く絞るのは、シャープが、水分が庫内のすき間に入ると電気部品の故障の原因になると案内しているためです。洗剤の拭き取りが不十分でも、プラスチック部分が割れる原因になるとされています。
詳しくはシャープの冷蔵庫お手入れのページをご覧ください。
掃除は、全部をまとめてやらなくて大丈夫です。中身が少なくなったタイミングに、棚とケースだけでも洗うと、汁の汚れが固まる前に落とせます。
拭くものは、メーカーの表記と、ネットでよく見る掃除法が食い違うところです。
使えるもの
- ぬるま湯
- うすめた中性洗剤(食器用洗剤)。使ったら必ず水拭きで洗剤を残さない
- やわらかい布
- 外せる部品の水洗い。洗ったあとは水気をしっかり拭く
メーカーが避けるよう書いているもの
- アルコール(シャープ・三菱電機・パナソニック・日立)
- 熱湯(シャープは60℃以上。パナソニック・日立も不可)
- アルカリ性・弱アルカリ性の洗剤、中性以外の台所用洗剤(シャープ・パナソニック・日立)
- 原液のままの中性洗剤
- 塩素系漂白剤(パナソニック・日立は不可。三菱電機は給水タンクとフタのみ可)
- 重曹・クエン酸・お酢(日立が名指しで不可)
- 酸(三菱電機)
- みがき粉、粉石けん、たわし、研磨スポンジ(三菱電機・パナソニック・日立)
- ベンジン、シンナー、ガラス用洗剤(パナソニック・日立)
※シャープのサポートページ、三菱電機「くらトク」、パナソニック公式サイト、日立の公式Q&Aの表記より。機種によって異なるため、最終的には取扱説明書で確認してください
ネットの掃除記事では、アルコールや重曹水、酢水がよく勧められています。ただ、アルコールはシャープ・三菱電機・パナソニック・日立のいずれも避けるよう書いているため注意しましょう。
日立は公式Q&Aで、重曹・クエン酸・お酢も名指しで「使わないでください」としています。パナソニックは、冷蔵庫掃除の解説で「中性以外の台所用洗剤」や塩素系漂白剤を使ってはいけないものに挙げています。弱アルカリ性の重曹水は、この「中性以外」に当てはまる可能性があります。
また、三菱電機も「酸」を避けるよう書いているため、酢水は当てはまる可能性があります。使う前に、手元の冷蔵庫の取扱説明書を見てください。表記は三菱電機の冷蔵庫掃除のページでも確認できます。
掃除してもにおうとき|パッキン・詰めこみ・脱臭剤を見直す
拭いたのにまだにおうときは、次の順で見てください。
パッキンのすき間
- 日立の公式Q&Aでは、閉めたドアに名刺やカードを挟んで、下に落ちるときは隙間があると案内しています
- ドアのまわりの数か所で試します
- 隙間があると外気が入って結露ができ、カビやにおいにつながります。交換はメーカーに相談します
詰めこみと脱臭剤
- 厚生労働省が示す目安は、中身が7割程度です。多いと感じたら、先に食べきるものを決めて減らします
- 脱臭剤は、見た目では効果が落ちたか分かりません。交換の時期を、カレンダーやスマホに書いておくと忘れません
排水・水受け皿
- 冷蔵庫には、霜取りの水を流す排水の通り道と、水がたまる受け皿があります(日立のQ&Aには、本体背面の水受け皿の例があります)
- 手入れの方法が取扱説明書にある機種だけ、その手順どおりに行います
- 説明書にない分解は、三菱電機も避けるよう案内しています
製氷機つきの機種
氷や水がにおうときは、給水タンク・貯水ケース・製氷皿を確認します。メーカーの案内は次のとおりです。
- パナソニック(貯水ケース):3か月に1回、水洗い
- パナソニック(取り外せる製氷皿):年1~2回、水で軽く洗い流す。スポンジで洗うと傷がつき、故障の原因になる
- 日立(給水タンク・浄水フィルター):週に1回、洗剤を使わず水洗い(取扱説明書の表記)
- 日立の機種には、水の通り道を洗う「製氷おそうじ」機能があるものもあります
手順は機種で違うため、取扱説明書の「自動製氷機のお手入れ」を見てください。
脱臭剤などのグッズを使うか迷うときは、キッチンまわりの消臭・除菌グッズを必要なものだけ選ぶ考え方が参考になります。
掃除では消えないにおい|使用を止めて相談する目安
においの種類によっては、掃除で消すものではありません。次のときは、拭き掃除を続けるより先に使用を止めて、メーカーか販売店、賃貸なら管理会社に相談してください。
- 焦げくさいにおいがする。パナソニックの取扱説明書(NR-FT46A)は、焦げくさいにおいのほか、電源コードやプラグが異常に熱いこと、冷蔵庫の床面にいつも水がたまっていることを「ご使用中止」の項目に挙げています
- 薬品やガスのようなにおいがする、冷えが急に悪くなった。配管の傷みなど冷却まわりの異常の可能性が、家電量販店の解説でも挙げられています。自分で原因を探さず、相談が先です
- 三菱電機の取扱説明書も、異常や不具合が出たときは、ただちに運転を停止して、販売店かご相談窓口に連絡するよう案内しています
連絡するときは、食品を保冷バッグなどに移し、安全に触れる状態なら電源プラグを抜いておきます。型番と、においの種類、いつから続いているかを伝えれば話が早く進むでしょう。
賃貸で気をつけること|備え付けの冷蔵庫と、メーカー・管理会社に相談する目安

備え付けの冷蔵庫は、自分の持ち物ではありません。契約書や設備の一覧で、備え付けかどうかを先に確かめてください。
- 自分でやる:食品の整理、庫内とパッキンの拭き掃除、脱臭剤の交換
- メーカーに相談する:焦げくさい・薬品やガスのようなにおいがするとき(使用を止める)、名刺が落ちてパッキンにすき間があるとき、においと一緒に冷えが弱い・水漏れ・異音が出ているとき、部品が割れたり変形したとき(三菱電機は、部品が壊れたまま使い続けないよう案内しています)
- 管理会社に連絡する:備え付けの冷蔵庫の故障や破損、原因が分からないにおい
次の一手として、冷蔵庫の側面や庫内にある型番のシールを、いまのうちにスマホで撮っておいてください。メーカーや管理会社に伝えるときに、型番がすぐ出せます。
やってはいけないこと
掃除のつもりが、かえって危険になることがあります。
- においや見た目だけで、食べられるかどうかを決める
- 塩素系漂白剤と、酢やクエン酸などの酸性のものを混ぜる、または続けて使う(「まぜるな危険」の表示がある組み合わせでは有毒な塩素ガスが出ると、製品評価技術基盤機構(NITE)の資料にあります)
- 庫内にアルコールや熱湯、メーカーが避けるよう書いている洗剤を使う
- 電源を入れたまま水拭きをする、または濡れた手でプラグに触る
- 水をたっぷり含んだ布で庫内を拭く(すき間に入った水分が電気部品の故障につながります)
- 冷蔵庫の下に手や足を入れる、ガラス棚を落とす
- 取扱説明書にない分解をする
まとめ|確認の順番と、今日できる一手
- 食べ物 → 拭くもの → パッキン、の順で確かめる
- 拭くものは、ネットの掃除記事ではなく、手元の冷蔵庫の取扱説明書とメーカー表記に合わせる
- 賃貸で備え付けなら、故障や破損の連絡先は管理会社になる
今日できるのは、扉を開けて、開封済みと作り置きの日付、棚やケースの汁のあとを見ることです。そのうえで、型番を撮っておけば、続きの掃除も相談もスムーズに進みます。
冷蔵庫以外のにおいは、「におい」の記事一覧にまとめています。
